遺品整理の注意点
家族や親族など、大切な人が亡くなった後に必要となるのが、遺品整理です。亡くなった方が賃貸物件などに住んでいたら、早めに遺品整理を行い、部屋を明け渡す必要があります。
そんな遺品整理をする前に、確認しておきたいことが相続をする気があるかということです。相続をするかどうかが、何故重要になるのか、一緒に見ていきましょう。
相続をする場合
亡くなった人の財産を相続する心構えがある場合は、早めに遺品整理を行うことがおすすめです。
遺品の中に価値がある財産がある場合は、相続税の申告が必要となるためです。
相続税の申告はは、亡くなったことを知った日から10カ月以内に行うように義務付けられています。この期間を過ぎると、延滞税が加算され、納める税金が増えることになります。
相続税が必要となるのは、遺産総額が「3000万円+600万円×法定相続人の数」を超える場合です。これ以下の場合は、相続税がかかることはありません。
そのため、総増税の対象とならない人も多くいますが、遺品整理をする中で思わぬ財産や資産が見つかるということは少なくないものです。
申告をきっちりと行いたい、そして相続権がある遺族間で揉めたくないという場合は、早めに遺品整理を行いどんな資産や財産があるかを確認しておく方が良いでしょう。
自宅で同居する家族や親族が亡くなった場合、なかなか遺品整理を始める気分にならないという人は少なくありません。
しかし、故人の遺産を相続するのであれば、価値がある物が残されていないかなどの確認は早めに行っておくことが大切です。
遺産を相続しない場合
遺品整理で問題となりやすいのが、相続権を放棄する場合です。
相続には、価値のある物や資産を引き継ぐプラスの相続だけでなく、借金を引き継ぐマイナスの相続というのも存在します。
借金がある人の遺産を相続すれば、借金の返済義務まで引き継ぐことになってしまいます。そんな状況を避ける方法が、相続放棄です。
相続放棄をすれば、借金を引き継ぐ必要はなくなりますが、プラスの遺産も受け取ることができなくなります。
亡くなった人の写真など、金銭的価値がない物を形見分けとして受け取ることは問題ありません。
ただ、故人が遺した価値のある物を遺品として受け取ることは勿論、不用品として処分をすることもまた財産を相続したと判断されてしまいます。相続放棄を検討している場合は、勝手に遺品整理を行わないこと大切です。
相続放棄は、相続できることを知ってから3ヶ月以内に申し立てをする必要があります。申し立てをすれば、遺品整理をしても良いという状態になることはなく、その先は相続財産管理人を立てて遺品の処分などを行う形となります。
費用は多少かかることになりますが、マイナスの遺産を相続したくない、相続に関する問題を穏便に済ませたいという場合は、相続財産管理人を頼ることがおすすめです。
ただ、相続財産管理人を立てる必要があるのは、相続人全員が相続を放棄した場合の話です。
相続人の中に、マイナスの財産を相続するという人がいる場合は、相続人となる人が遺品整理を行うことができます。
ただ、相続放棄をする場合は3ヶ月以内、相続税に関する手続きをする場合は10ヶ月以内と期限が決まっているため、大切な人が亡くなった時は、早めに遺品整理を含めた今後のことを、話し合っておくことがおすすめです。
まとめ
家族や親戚など、身近な人が亡くなった時に必要となる遺品整理ですが、相続放棄をする場合は、手を付けないようにすることが大切です。
借金などの事情があって、相続放棄をすることを決めた場合は、相続財産管理人を立てることがおすすめです。
遺品整理をしない方が良い状況があると知っておくことで、相続税に関するトラブルを未然に防ぐことができます。